思わずしびれた“上司のスピーチ” 中年親父は「人生には3つの○○」で差をつけろ! (1/2ページ)

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常見陽平のビバ!中年

 私の盟友であるネットニュース編集者・中川淳一郎からの報告に激しく胸を打たれた。考えさせられた。金属バットで頭を殴られたような衝撃だった。

 彼がお世話になった若き編集者で、現在はイベントなどを企画するツドイを起業した今井雄紀氏の披露宴での出来事だ。新婦は大手百貨店の宣伝部に勤務しているという。その上司によるスピーチが、すごかったとか。

◆最高すぎる親父ギャグ的フレーズ

 「本来なら、部長の○○がスピーチしなくてはならないところですが、あいにく、出張しており……。私が代わりにスピーチさせて頂きます。部長も新婦の○○さんを高く評価しており」という、上司を立てる社畜プレイ。

 しかし、これはまだ序の口だった。「我が社宣伝部の定例会議で伝統的に伝わる挨拶があります」という前振りが期待感を高めまくったあと炸裂したのが、次のフレーズだった。

 「人生、山あり、谷あり、モハメド・アリ!」

 な、なんという破壊力だ! いや、どう反応していいか分からなかったようで、ドッカンドッカン盛り上がったわけではないが、ジワったという。親父ギャグとして最高すぎる。うん、なんとも考えさせられるフレーズではないか。

 いや、ちょっと待て。冷静に考えると、スゴイフレーズだ。モハメド・アリの生涯を考えると、むしろ結婚式には不謹慎とも言える表現である。昨年、74歳で逝去したモハメド・アリは、まさに波乱万丈の人生を生きた人だった。ローマ五輪での金メダル、しかしレストランで入店拒否の人種差別を受けそのメダルを川に投げ捨てる、3度の世界チャンピオン戴冠、数々の防衛戦、イスラム教への改宗、ベトナム戦争徴兵拒否、徴兵拒否で有罪判決、ジョージ・フォアマンとの名勝負、アントニオ猪木との異種格闘技戦、パーキンソン病、アトランタ五輪での聖火など、実にドラマチックな人生を生きた人だった。

 「山あり、谷あり、モハメド・アリ!」というフレーズは実に笑える親父ギャグのようで、いかにも幸せそうな披露宴には不謹慎なのではないかと思ってしまった。いやはや。

最も衝撃を受けた「3つの○○」