進歩する脳梗塞治療 カテーテルで血栓除去 (1/3ページ)


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 脳の血管が詰まる脳梗塞は脳卒中の大半を占め、体のまひなど重い障害を招く。詰まった血の塊(血栓)を薬で溶かす治療が基本だが、近年、カテーテルで血栓を回収する血管内治療の成績が向上し、専門学会が、一定の条件を満たす患者には薬にプラスして行うことを強く勧める指針を発表した。治療開始が早いほど効果が高いと期待されるため、異常に気付いたらすぐに救急車を呼ぶことがとても大切だ。

 初期は有効性を証明できず

 脳の血管が詰まると、酸素や栄養分が行き渡らなくなり、脳組織が急激に傷んで、手足のまひや言語の障害などが出る。中でも、心房細動などの心臓病が引き金となって、心臓にできた大きな血栓が脳の太い血管に詰まる脳梗塞(心原性脳塞栓(そくせん)症)は生命に関わる。

 治療は脳血流をいかに早く再開できるかが鍵。「tPA」という薬で血栓を溶かすのが基本だが出血のリスクがあり、使えるのは発症後4時間半まで。太い血管の血栓には効かないことも多い。

 そこへ血管内治療が実用化された。脚の付け根の血管から入れたカテーテルを脳まで送って血栓を取り除く仕組みで、最初の機器が平成22年に保険適用に。しかし、海外で行われた初期の臨床試験では、薬の治療を上回る有効性を証明できなかった。血管内治療に積極的に取り組んできた吉村紳一・兵庫医大教授(脳神経外科)は「期待していただけにショックだった」と振り返る。