埼玉大で知事VS学生 白熱政策教室 「インスタグラムで農産物PRを」「貨客混載バスの運行」提言 子育て無償化は… (2/2ページ)

埼玉大で行われた上田清司知事と学生らの意見交換会=8日、さいたま市桜区
埼玉大で行われた上田清司知事と学生らの意見交換会=8日、さいたま市桜区【拡大】

 工学部の久保田尚教授ゼミの学生らは、人手不足の問題に対応するため、貨物と旅客を一緒に運ぶ貨客混載バスの運行を提案した。県内ではまだ事例がないが、上田知事は「利用者が少ない田舎の路線で有効だ」と指摘した。

 一方、経済学部の松本正生教授ゼミの学生らは、県が多くの予算をかけずに子育て支援を行う施策を重視していることに着目し、第二子以降の保育料無償化など予算を増額する方向へ政策転換する必要性を指摘した。上田知事は「埼玉は人口が多く、予算に気を使わないといけない。無償化は辛い話になる」と厳しい見方を示した。

 意見交換会でこれまでに提案されたアイデアの中で、公園の散歩コースへの企業協賛による消費カロリー表示機設置や、大学生によるフリーペーパー発行などが実現している。

 上田知事が学生らと深く議論する場面もあり、「今回はアンケートを分析し、1つの論拠とする提言が多く、全体的に説得力があった」と総括した。