学力向上へ外部検証委報告書 「深い学び」授業へ改善提唱 長野

 県教育委員会の外部検証委員会(委員長・西一夫信州大教授)は14日、平成29年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の県内結果を受け、学力向上のポイントをまとめた報告書を、原山隆一教育長に提出した。新学習指導要領が提唱する「深い学び」の実現に向けた授業改善を、積極的に進めることなどを求めた。

 報告書では、全国学力テストの結果について「全国平均の学力は維持できている」との見方を示した上で、全体のカリキュラムで「総合的学習の時間」をきちんと位置づけることや、家庭における学習の質向上などが、「深い学び」にとって課題になると強調した。

 このほか、大学入試センター試験の後継として32年度から導入される「大学入学共通テスト」に対応できる学力をつけるため、高校の入試問題から改善すべきだと提言。具体的には、論述問題を意識した取り組みを促す必要があるとした。

 就学前の幼保教育との連携が不十分なため、幼稚園・保育園と小学校のカリキュラムに一体性を持たせることも重要だと指摘。教師の多忙さについても触れて、児童・生徒と向き合う時間や授業の準備をする時間を十分に確保すべきだと明記した。

 報告書を受け取った原山氏は、全国平均をさらに上回る学力を目指す考えを示した。