群馬県千代田町と埼玉県行田市に架かる利根大堰で15日、群馬県水産試験場が利根川を遡上(そじょう)してきたサケの捕獲と採卵を行った(橋爪一彦撮影)。
利根川はサケが遡上する南限の川として知られている。利根大堰の魚道はガラスで仕切られ、サケを自然な状態で観察でき、小学生などに人気の施設だ。
水資源機構利根導水総合事業所の野村達彦総務課長は「10月は台風による増水のためサケのカウントができなかった」と語るが、今月14日現在で計949匹が確認されたという。
15日に捕獲したのは体長64~86センチのオス13匹と60~80センチのメス16匹。絞った卵4万粒は、紫外線を避けたテントの下でオスの精子を受精させ、約2週間で発眼する。来年3月上旬には約5センチに育ち、地元の子供たちの手で利根川に放流される。再び戻ってくるのは3~5年後だという。