「自分に合った1本を」万年筆の人気じわり ボールペン育ちの若者にも

万年筆の魅力を語る専門店「タツヤ」の寳官章社長=岡山県津山市
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 書き味の良さなどから、万年筆の人気が高まり、岡山県内でも若い世代に愛用者が増えているという。高級品から千円以下の手頃な価格までバリエーションも豊富。クリスマスプレゼントや、年賀状への添え書きなどで万年筆の魅力に触れる機会も増えそうだ。

 調査会社「矢野経済研究所」(東京都)の推計によると、国内の万年筆出荷金額は平成24年度は34億5千万円だったのに対し、27年度は46億8千万円まで上昇。28年度は54億円まで伸びると予測している。

 岡山県内唯一という万年筆専門店「タツヤ」(津山市堺町)は、昭和4年創業の老舗専門店。寳官(ほうがん)章社長(87)は、書き味の良さはペン先にあると言う。インクが、ペン先の切り割りを通って、紙に当たっただけで筆記できるため、力を入れることなく、なめらかな書き味が楽しめるそうだ。「ボールペン育ちの若い人が『書きええなあ』と喜んでくれる」と顔をほころばせる。

 店内には、日本3大メーカーのパイロット、プラチナ、セーラーをはじめとする万年筆がずらり。持ち手部分に蒔絵(まきえ)を施した重厚なものから手軽なキャップレスまで、形や大きさ、色など多種多様。37種類のカラーインクも品ぞろえされている。

 寳官社長は「万年筆はペン先の掃除など、手入れをすれば、10年、20年、それ以上に長く使える。字体に個性とあじわいが出るのも万年筆ならでは。手に持って実際に書き味を確かめ、自分に合った“1本”を見つけてほしい」と話している。