【著者は語る】柳井氏は現場を知るべき ジャーナリスト・横田増生氏「ユニクロ潜入一年」 (1/2ページ)

ジャーナリストの横田増生氏
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 ■販売現場を知るべきなのは柳井氏

 もともと、サービス残業や長時間労働といった問題を抱えた企業で、早くからこのことを指摘してきた。以前に記事を載せた出版社が名誉毀損(きそん)で訴えられたこともあった。もっとも、最高裁の上告棄却で出版社が勝訴したが。ユニクロにとって目障りな存在なのだろう。とにかく取材ができない。

 株式上場しているユニクロの親会社ファーストリテイリングの話になるが、マスコミ関係者なら、ほぼ参加できる決算発表という半ば「公」の場への出席さえも断られ続ける。それも柳井正会長兼社長の指示でだ。記事に事実誤認がないことや裁判に勝ったことも会社として認めているのに、一向に取材を拒否する態度が変わらない。かたくなに口を封じようとする姿勢に腹が立った。「それならばこちらにも考えがある」と。

 ユニクロ内は柳井氏が言うことが絶対で、まるで「柳井教」。秘密主義が徹底していて、辞めた社員も守秘義務を盾に言動を縛るところがあり、誰も何も言わない。だから、「潜入」を決意し、働いてみることにした。

 ユニクロは、国内事業に関して対売上高人件費比率を10%前後に抑えて利益を確保するのが戦略だ。限界まで人件費を削るわけだから、暇なときは「早く帰ってくれ」となる。実際、契約上は週5日勤務なのに、時期によって週3日しか働くことが許されない従業員がいた。生活がかかっていることを全く考えてくれない。

逆に、人手が足りなくなると…