【今週の焦点】来年の春闘に向け、連合中央委が5日に統一要求を正式決定へ

連合の神津里季生会長(酒巻俊介撮影)
連合の神津里季生会長(酒巻俊介撮影)【拡大】

 労働組合の中央組織である連合は5日、東京都内で中央委員会を開き、平成30年春闘の統一要求を正式に決定する。従業員の基本給を一律に引き上げるベースアップ(ベア)幅を「2%程度を基準」とし、働いた年数に応じて基本給が増える定期昇給(定昇)の2%と合わせて4%賃上げを求める。この後、働き方改革への対応なども議論し、来年1月には連合の春闘方針を決める。

 連合がベアの統一要求を行うのは5年連続。「ベア2%」の数値目標を明記するのは、27年春闘から4年連続となる。

 春闘をめぐっては、安倍晋三首相が経済界に賃上げを要請する「官製春闘」が26年から始まり、来年で5年目。25年以前は連合集計、経団連集計ともに2%を下回っていた賃上げ率が、企業業績の改善も加わって26年以降は2%を回復する“効果”が出ている。

 ただ、賃上げが進んでも、個人消費の拡大や物価上昇にはつながらず、デフレ脱却を果たせていないことから、安倍首相は「3%の賃上げ」を経団連の榊原定征会長に要請。労使ともに30年春闘に向けて、対応を迫られている。

 連合の神津里季生会長は3%要請に、「お上が音頭をとれば素直に3%の賃上げに向かうという発想はいかがなものか」と反発。その上で「これに対応できるのは大企業だけで、中小企業はついていけない。その結果、格差拡大を繰り返す」と懸念を示す。

 一方、経営側の春闘方針を作成する経団連は、賃上げを継続させる方針を固めた。今週からは、3%をどのように方針に反映させるか、議論を本格化させる。

 連合、経団連はそれぞれ来年1月に春闘方針を最終決定し、同月下旬の「労使フォーラム」で春闘を事実上スタートさせる。

(平尾孝)