児童手当の所得制限基準「世帯合算制度」導入先送り 財源を確保 議論は継続 (1/2ページ)

 政府・与党は3日、児童手当全体の給付額を抑制するため検討していた所得制限の算定方法の見直しについて、平成30年度の実施は見送る方針を決めた。世帯で最も所得の高い人の金額を算定基準としていた方式を世帯全体の合算所得に切り替える方針だったが、経団連など経済3団体が政府の「人づくり革命」に拠出する負担金の一部を前倒し支出することになり、現状維持が決まった。

 現行制度は、たとえば夫婦それぞれ700万円の年収があっても給付対象となるが、夫が年収1千万円、妻が無収入の世帯は制限対象となる。制限を受ける世帯は「特例給付」に移行し、本来より5千~1万円少ない子供1人当たり月5千円が支給される。

 財務省は4月の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)分科会で、所得制限の算定基準を世帯合算に変え、特例給付も廃止するよう提案し、浮いた財源を保育所整備など待機児童解消策に回すよう求めた。29年度予算で換算すると、減額分は国・地方を合わせ734億円以上となる。

 しかし「世帯合算」への移行は多くの共働き世帯が制限対象になることから、与党内では「女性の社会進出や子育て政策を進める政府方針に逆行する」との懸念が続出していた。