中年よ、紅白“マウンティング”合戦に備えよ いまさら福山雅治に「チイ兄ちゃん」と言う奴… (1/4ページ)

常見陽平のビバ!中年

 師走である。今年も『NHK紅白歌合戦』が迫ってきた。毎年、どちらが勝つか楽しみでしょうがない。そう、紅白とは闘いなのだ。

 今年は、引退を表明した安室奈美恵が出演するのかどうかに注目が集まった。視聴率40%をとれるのかという点も毎年必ず話題をさらう。「国民的」なるもののあり方や、存在意義が問われる今日このごろだが、思わず何か言いたくなるというのも、『NHK紅白歌合戦』がいまだに国民的番組であることの証拠なのだろう。

 この「紅白」だが、中年はどのような態度で望むべきか。ずばり、ここは「うんちく」を活かした「老害芸」「マウンティング」で家族や友人、ネット民を圧倒するべきではないだろうか。そう、画面を見ながら一緒に見ている人にうんちくを語るとともに、SNSに上から目線で投稿する。これこそ、中年の紅白の楽しみ方だ。というか、私はそうしている。

 ここでの勝ちパターンは「HMV」だ。昔、渋谷にあったCD販売店のことではない。「ひたすら」「昔話で」「ヴィクトリー」なのだ。

 大晦日に、中年が語るべき「うんちく」はこれだ。老害芸でマウンティングなのだ。

◆出演者がやらかしたら「桑田佳祐よりマシ」とマウンティングする奴

 紅白では数年に一回、意図的に(あるいは結果として)、やらかす出演者がいる。もう10年くらい前だが、DJ OZMAが一見すると全裸に見える着ぐるみ軍団で登場し、物議をかもした。

 この手のハプニングに対して、中年はあくまで昔話で対抗するべきだ。「あの年の○○に比べると、マシ」と言い放つのだ。

 よく語られるのは、1982年にサザンオールスターズとして出演した桑田佳祐だ。白塗りに和服で登場し、『チャコの海岸物語』を演歌調で歌い、間奏では「とにかく、受信料は払いましょう!」「裏番組はビデオで観ましょう!」などと語った。NHKには苦情が殺到したという。

 桑田佳祐は、2015年にもサザンオールスターズとして出演。その際は独裁者を想起させるチョビ髭で『ピースとハイライト』を歌い物議を醸したが。ただ、わかっている中年は「1982年のサザンよりはマシ。桑田も大人になったね」と流したことだろう。

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