“すごい”“おもしろい”は控えめに バカっぽくならないための「大人の文章テク」 (6/6ページ)

 「表現の変化球」を身につけよう

 ピッチャーの投球にたとえるならば、形容詞はまっすぐな「ストレート(直球)」です。形容詞を使えば、短く、はっきりと自分の感情を表せます。しかし、書き言葉(文章)の世界でストレートを多用すると、一本調子で平板な文章になり、読む側が足りない要素を「忖度」して読まなければなりません。

 大人の文章には、ストレートだけでなく丁寧な描写、気遣いなど「表現の変化球」も必要です。緩急をつけることで初めて、言葉は読者の心に届きます。よく知られているように、小説家やエッセイストは言葉の力を弱めないために、研究者やジャーナリストは言葉の精度を高めるために、形容詞を避けるように努めています。ぜひ参考にしてください。

 石黒 圭(いしぐろ・けい)

 国立国語研究所教授、一橋大学連携教授

 1969年大阪府生まれ。神奈川県出身。国立国語研究所日本語教育研究領域代表・教授、一橋大学大学院言語社会研究科連携教授。一橋大学社会学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門は文章論。『論文・レポートの基本』(日本実業出版社)など著書多数。

 (国立国語研究所教授、一橋大学連携教授 石黒 圭)(PRESIDENT Online)