「出されたお茶」は飲み干したほうがいい 新人のころ先輩に教わった3つの教え (1/4ページ)

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 ビジネスの世界には、さまざまな作法やルールが「暗黙の了解」として存在している。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏は「そうした作法は、新人のころ職場の先輩に教わった。当時は多少ウザかったが、いまにして思えば役立つ話ばかり。若手は、信頼できる先輩の説く『作法』を聞き漏らさないほうがいい。それらは後々、必ず自分を助けてくれる」と語る--。

 「寒くても、脱げ」

 干渉されることを極端に嫌う若者が増えた、とも評される昨今。会社の後輩にビジネスマナーを教えたりしようものなら、すぐに「ウザいオッサン・オバサン」扱いされることも少なくない。

 しかし、自分がすっかりオッサンになってみて感じるのは、「社会人になったばかりの頃、先輩から教わったビジネス作法って、今でも役に立つことが多いな」ということだ。多分、指摘された時は「あぁ、叱られてしまった」とか「いちいちウルサイな!」などと内心ムカついたり、ヘコんだりもしたのだろうが、今になってみれば「先輩、ありがとう」と思うことしきりである。

 私の場合、広告代理店に勤務したため、発注元であるクライアントや、発注相手たるPR会社、イベント会社などが仕事上でお付き合いのある「取引先」だった。当然、先方のオフィスに出向いての打ち合わせなどもあるが、最初の2年ほどは、基本的には下っ端という扱い。何をするでもなく先輩社員についていき、補助業務をやることが続く。

 学生時代、社会人との接点はバイト先の植木屋くらいだったため、私は基本的なビジネスマナーがまったく身に付いていなかった。たとえば電話応対の作法(「少々お待ちください」やら「どちらの○○様ですか?」など)や、会食や会議の場での上座・下座の概念など、基本中の基本すら分かっていなかったのである。まったくもってマナー知らずのまま社会人になったわけだが、会社の先輩たちは、そんな私に丁寧に作法を教えてくれた。

鮮明に覚えているクライアント訪問時の3つの「教え」