常識知らずの若手、どう指導? 礼儀がなってない「モンスター新人」の取扱説明書 (6/6ページ)

 ▼新人社員と外国人社員に共通すること

 日本人はそのことを当たり前のことのように受け入れている。だが、日本以外の国では職務主義に代表されるように採用では専門性が重視され、処遇では実力主義を基調としている。そうした環境で育った外国人にとっては理由もなく配属先を決められること、専門性と直結しない仕事をすることに対する説明がなければ納得しない人も少なくない。

 キャリアに対する考え方も異なる。長期雇用の日本と違い、いろいろな会社を渡り歩いてキャリアを築いていくことが一般的な外国社会では平均勤続年数も短い。

 そのため日本企業に入社しても先行きが見通せないためにカルチャーショックを受けて辞めていく外国人社員も少なくない。

 外国人を採用し、定着してもらうには入社前にその企業独自の働き方やキャリアパスの仕組みなどについて丁寧に説明し、納得してもらうことが大事だろう。

 だが、それでも外国人が定着しないとしたら、企業の人事の仕組みやキャリアパスのあり方も見直していくべきだろう。それが多様性を取り込んで成長していくことにつながる。

 日本企業と相撲界。新人や外国人という多様性を受け入れて互いに成長し、発展していくための課題は山積みだ。

 (ジャーナリスト 溝上 憲文)(PRESIDENT Online)