平成29年の出生数、2年連続の100万人割れ 人口の自然減は初の40万人超え

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 厚生労働省は22日、平成29年の人口動態統計の年間推計を発表した。出生数は明治32(1899)年に統計を開始して以来、最少だった前年の97万6978人を下回り、94万1000人と過去最少を更新した。年間の出生数が100万人を割るのは2年連続。少子化対策が喫緊の課題であることを改めて浮き彫りにした。

 死亡数は前年の130万7748人を上回り134万4000人と、統計開始以来、3番目に多かった。死亡数から出生数を差し引いた人口の自然減は40万3000人で、11年連続で減少した。自然減が40万人を超えるのは初めて。

 女性が生涯に産む子供の推定人数を示す合計特殊出生率は17年の1.26を境に緩やかな上昇傾向にあり、28年は1.44。29年はほぼ横ばいになりそうだ。

 このほか、婚姻件数は減少傾向にあり、前年の62万531組を下回る60万7000組と戦後最少となった。離婚件数は前年の21万6798組を下回る21万2000組と推計した。

 厚労省の担当者は出生数が過去最少だったことについて「出産年齢人口は25~39歳あたりで、全体の約8割の子供が生まれる。第2次ベビーブーム世代は40代半ばになっている。(出産の)対象人口が減っているのが原因だ」と分析している。

 人口動態統計の年間推計は日本在住の日本人について1~10月の速報値を基に1年分を推計している。