“良かれ良かれ”が裏目に… 子供をつぶしてしまう「母の親心」 (3/5ページ)

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 また、普通であれば幸せに感じるようなことが起きたとしても、逆に、これからとてつもなく悪いことが起こる気がして、今を楽しめないという母もいる。このタイプは「今の幸せ」を享受するよりも先に「未来の不幸」を避ける準備に余念がない。

 例えば、「子が不登校」という問題を抱えた場合に、わが子に登校を強要するケースなどがそれに当たる。これはわが子の「今現在」をサポートするのではなく、わが子の「未来の不幸」をどうすれば避けられるかと考え、子どもが学校にさえ行けば問題解決だと思い込んでしまうのだ。

 子どもは母の不安を解消する道具ではない。もし、未来を暗く考えてしまったときには、いったん、その思考から離れよう。「今日、一日を笑顔で過ごす」。その繰り返しが明るい未来をかなえてくれることにまず気付こう。

 こうなってはいけない「迷宮母」の共通点5

 ▼迷宮母の特徴3:「高スペック機能付きスキャナー母」

 隣の芝生が青く見えてしまうことは誰にもあるが、このタイプはその「度合い」が尋常ではない。比較する相手が、自分より「上か、下か」を瞬時に感じ取ってしまう。いわば「敏感肌」とでも呼ぶべき母である。

 周囲と自分を常に比べている状態にあるので、劣等感と優越感のはざまに苦しみ、毎日がとてもつらいのだ。子どもに関しても、学校の成績や運動能力などを他の子と比べ、少しでも上へ行けるようにわが子をせきたてる。そうした母が共通して言うことは、「子どもに劣等感を味わわせたくない」。だが、実際は自分が劣等感を味わいたくないだけなのだ。

 そもそも人は、あらゆることに違いがあるから面白いのだということを理解しよう。「上か、下か」という価値観の中に「幸せ」は存在しない。

 ▼迷宮母の特徴4:「『まっ、いっか』がない完璧主義母」

 このタイプの母は、我慢強く、他人への気配りにもたけている「良い人」である。しかし、その反面「完璧ではないわが子」を承認することができず、その結果、親子で出口の見えないトンネルの中でさまよう恐れがある。

人生を楽しめていない母