【視点】広がる元日休業、現状は“囚人のジレンマ” 消費者どう受け止める? (3/3ページ)

ロイヤルホストの店舗=福岡市南区(中村雅和撮影)
ロイヤルホストの店舗=福岡市南区(中村雅和撮影)【拡大】

 問題はこうした動きを消費者がどう受け止めるかだ。確かに、年中無休や24時間営業のファミリーレストランやファストフードが近くにあればありがたいと思う人は多いだろう。そして、便利さを追求する消費者のニーズに応えることで企業は業績を伸ばし、経済が発展してきたこともまた事実である。

 しかし、多くの企業が薄利多売をビジネスモデルとしてきた日本では、ややもすると行き過ぎたサービス競争に陥ってきたのではないか。外食産業などに代表される元日営業や24時間営業も実はそうした過剰サービスの側面が強いのではないか。

 消費者の多くは一方で働き手でもある。自らの労働環境を是正するには、消費者として現在、享受している便利さの一部を放棄する覚悟が必要だろう。働き方改革の成否は経営者の考え方に加えて、働き手が消費者として、どこまで意識を改革できるかも重要な要素だ。