「なるほど、日本企業は低いはずだ」 働く人の幸福度をはかる“たった12の質問” (1/5ページ)

 自分の市場価値を上げるにはどうすればいいのか。立教大学ビジネススクールの田中道昭教授は1000社・10万人以上の「人事ビッグデータ」を分析した結果、「あしたの履歴書」というメソッドを提唱しています。その重要項目のひとつが「社員幸福度」。米国最大の調査会社であるギャラップ社は「12の質問」で社員幸福度を測定しています。その内容とは--。

 日本は139カ国中132位と最下位レベル

 組織のエンゲージメントを測るツールとして、米国のギャラップ社が実施している「エンゲージメント・サーベイ」があります。ギャラップ社は米国最大の調査会社ですが、その膨大な調査データの集計・分析をもとに組織開発のコンサルティングも行っています。

 (筆者注)エンゲージメントとは婚約や約束の意味ですが、従業員エンゲージメントは、従業員の企業に対する信頼関係や愛着心を指します。日本語で「熱中度」などと訳されることもありますが、そうした狭い概念ではなく、仕事や会社に対するワクワク感や幸福感とも言える概念です。私は、エンゲージメントを社員幸福度と表現しています。

 そのギャラップ社が全世界1300万人のビジネスパーソンを調査し、導き出したエンゲージメントを測定するたった12の質問が「Q12(キュー・トゥエルブ)」です。この調査によると、日本企業はエンゲージメントの高い「熱意あふれる社員」の割合が6%で、米国の32%と比べて大幅に低く、調査した139カ国中132位と最下位レベルでした。さらに言うと、「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」の割合は24%、「やる気のない社員」はなんと70%に達しています。

 「そんなはずはない。たかが12の質問でそんなことまでわかるのか」と思う読者も多いでしょうが、まずはその12の質問に目を通してみてください。なるほど、日本企業は低いはずだと納得するはずです。

「Q12(キュー・トゥエルブ)」の内容