落花生・千葉P114号「チーム千葉の産物になった」 開発者インタビュー

新品種の「千葉P114号」の開発担当者の一人で県農林総合研究センター研究員、黒田幸浩さん=同センター(中辻健太郎撮影)
新品種の「千葉P114号」の開発担当者の一人で県農林総合研究センター研究員、黒田幸浩さん=同センター(中辻健太郎撮影)【拡大】

 「食べた瞬間、今までの落花生とは違う甘さが口に広がった」。平成22年ごろから開発に参加した県農林総合研究センター(旧県農業試験場)最重点プロジェクト研究室の黒田幸浩研究員(38)は、千葉P114号との出合いを今も鮮烈に覚えている。

 新品種のショ糖含有量は6~7%。従来品種の「ナカテユタカ」の5%を上回り、食べ比べると「かなり違う」と自信をのぞかす。味や特徴はほぼ決まり、残る課題は実際の栽培となった。

 栽培のプロジェクトチームは、県生産振興課など部署間で連携して取り組んだ。栽培方法によっては新品種が誇る甘味がうまく引き出せないといった課題が浮かび上がった。早期の種まきが影響したといい、「農家ごとに味にばらつきが出てしまうと、本来のものと違う味が消費者に届いてしまう」と危ぶまれた。

 そこで、種まき時期の注意などを盛り込んだ生育用マニュアルを作成。栽培する農家らに配布することにした。「各部署がさまざまな意見を持ち寄り完成した、チーム千葉の産物になった」と感慨深く話す。

 新品種にかける期待は-。「落花生は子供や若い女性たちのおやつ代わりに食べてもらえるポテンシャルがある。食べておいしい落花生を目指した。その思いが消費者に届き、農家の収入にもつながり、落花生に再び注目が集まる契機になればうれしい」