うわさの「一流営業マン」はチャラ男だった 「スーツを一着も持たない」男の仕事術 (2/4ページ)

◆大手不動産に転職したら受付嬢の反応が…

【橋本】不動産営業はキツいとよく耳にしますが、船橋さんはなぜその環境に飛び込んだのですか?

【船橋】学生の頃は不動産に全く興味がなく、就活中は大手電機メーカーの内定をもらいました。

大学4年で時間はあったので、こんなにも幅広く業界を見渡す機会なんてもうないだろうからと、好奇心からいろんな業界の説明会に回ってみたんです。

そんな折にふと立ち寄った不動産会社の説明会で、面白い社長がいたんです。このご時世に、プロジェクターに富士山を映して「日本一を目指す!」と豪語したり、途中で進行にミスがあった社員を、「バカヤロー!」と学生の目の前で叱りつけたり……。「この社長はなんだ?」と興味が沸いたんです。

興味本位で面接を受けたら通過してしまって、こういうのもありかなと。ベンチャー気質があったことと、内定をもらった電機メーカーと比べると企業規模も小さく、若手のうちから第一線で働けることが決め手となりました。

【橋本】入社してみてどうでしたか?

【船橋】体育会系のワンマン社長のもとで3年半働きましたが、新社会人だったこともあって一番刺激を受けた場所です。

その後、不動産仲介兼内装業の会社に転職し、2014年に縁あって現在の会社へと入社しました。

【橋本】不動産一筋なんですね。私は不動産会社で受付嬢をする機会はなかったなぁ……。

【船橋】受付嬢と言えば、ここだけの話ですが、いまの会社に入ってからは訪問先の対応が手厚くなったような気がするんです(笑)。

【橋本】詳しく聞きましょうか(笑)。

【船橋】計3社を経験して、前の2社は社名を知らない人もいますが、いまの会社は業界大手なんです。訪問先で名刺を渡したらこれまでとは違う対応になったので、これには驚きました。

【橋本】会社名で対応が変わると……。これは聞き捨てならないですね。結構あるあるかもしれないですが、やはり受付としてはダメですよね。

本来はどのお客様に対しても一定の接客をするのが受付としてのマナーですけど、やっぱり“人の子”なので、大手だからとかイケメンだからとか、自分が慕っている社員のお客様には丁寧にするといった受付嬢もいるんですよね。私は良くないなぁと思っています。

◆「スーツは一着も持っていない」

【橋本】不動産会社で営業マンとしてキャリアを積まれる中で、ライバルと差をつけるために意識していることはありますか?

【船橋】(編集者に向かって)今日初めて僕と会って、「こいつチャラ男だな」って思いませんでしたか?

(編集)正直、意外な方が登場したなと思いました。

【船橋】それが狙いなんです。営業って清潔感のある身だしなみが基本ですよね。僕みたいに、腕にジャラジャラと天然石のブレスレットをつけたり、こんなに大きい腕時計をつけたりする営業マンはあまりいません。これが会話のきっかけになるんです。

初対面では「こいつなんなの?」って思われる