梅毒5千人、初めて突破 患者最多は東京 若い女性らに感染拡大

 性行為などで感染する梅毒が若い女性らに広がり、国立感染症研究所の集計によると平成29年の患者数は、現行の集計方式となった11年以降で初めて全国で5千人を超えたことが分かった。うち3割を占め、患者数が最多の東京都は感染拡大に歯止めをかけるため、30年度から検査態勢拡充などの対策に本腰を入れる方針だ。

 同研究所によると、29年12月17日までに報告された患者数は5534人。都道府県別で見ると東京都が1705人と最多で、大阪府(788人)愛知県(325人)神奈川県(312人)など都市部で目立つ。

 梅毒は梅毒トレポネーマという細菌が原因で起きる感染症。抗菌薬で早期に治療をすれば完治するが、放置して進行すると脳や心臓に合併症を引き起こす。

 梅毒は近年、特に20代の女性で増えているとされ、母親が妊娠前や妊娠中に感染すると、胎盤を通じて胎児も感染する「先天梅毒」になり、生まれた赤ちゃんが死亡することもある。