首相「働き方改革国会」と命名 年頭会見 長時間労働見直しに意欲

 安倍晋三首相は4日、三重県伊勢市で年頭記者会見に臨み、憲法改正に向けた国会での論議加速に意欲を表明した。「今年こそ憲法のあるべき姿を国民にしっかり提示し、憲法改正に向けた議論を一層深める1年にしたい」と述べた。同時に、与野党に具体的な改憲案に基づく活発な議論を呼び掛けた。

 憲法改正について「今後も憲法の基本理念は変わることはないが、時代の変化に応じて議論するのは当然のことだ」と指摘。「スケジュールありきでない。与野党で幅広い合意を形作ることを期待したい」と述べた。

 今月召集の通常国会については「働き方改革国会」と命名。「長時間労働の上限規制を導入し、長時間労働の慣行を断ち切る」と決意を示した。政府は関連法案を提出し、成立を期す。

 首相は「70年に及ぶ労働基準法の歴史的な大改革に挑戦する」と強調。「正規、非正規の雇用形態にかかわらず、昇給や福利厚生など不合理な待遇差を是正し、多様な働き方を自由に選択できるようにする」と述べた。

 日本が議長国を務める日中韓首脳会談をめぐっては「互いに都合のいい時期に早期に開催したい」と語った。日本側は既に4月実施を中韓両国に打診している。9月の自民党総裁選への対応には「通常国会では結果を出していくことに集中したい。その先のことは、その上で考えたい」と述べるにとどめた。