新人賞を取る、小説投稿サイトで人気となる… 多彩になってきた小説家になる方法 (2/3ページ)

電撃小説大賞で大賞を受賞のうーぱーさん(左)と凩輪音さん
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  • NovelJam2018の発表会。左から日本独立作家同盟の鷹野凌理事長、審査委員長の藤井大洋氏、前回参加者でマンガ家のうめ(小沢高広)氏、小説家で審査員の内藤みかさん
  • エブリスタが応募窓口となる氷室冴子青春文学賞

 11月23日に東京都大田区の東京流通センターで開催された第25回文学フリマには、個人で同人誌などを作って小説をはじめとした創作物を販売する人たちが集まった。ここに出展していたのが、「小説家になろう」や「エブリスタ」といった小説投稿サイト。ネット上に作品を発表して広く読んでもらうことができるサービスで、人気となって出版社から声がかかり本になる作品も数多く生まれている。個人の創作者が集まる文学フリマの場で参加者、来場者に利用を呼びかけていた。

 2017年にテレビアニメーション化された犬塚惇平氏の「異世界食堂」や天酒之瓢氏の「ナイツ&マジック」は、いずれも「小説家になろう」から生まれた作品。テレビドラマ化された太田紫織さんの「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」もエブリスタで話題となって角川文庫でシリーズ化されている。

 第38回日本SF大賞の最終候補作となった柞刈湯葉氏の「横浜駅SF」は、KADOKAWAとはてなが立ち上げた小説投稿サイトのカクヨムで連載され、話題を呼んで書籍化されたもの。今や小説投稿サイトは、出版社が新人賞を行って原稿を募り、選考を経て入賞作品を書籍化する従来からの作家デビューの仕組みをしのぐ勢いで、新しい才能を世に送り出している。

 書き手を引き寄せるプラットフォームとしての機能を活用しようと、新人賞そのものをこうした小説投稿サイト経由で行うケースも増えて来た。最近ではエブリスタが、少女小説の分野で絶大な人気を誇りながら、2008年に死去した氷室冴子さんの名前が冠された氷室冴子青春文学賞に特別協力。原稿の応募窓口となり、2018年1月15日から3月15日まで特設ページでエントリーを受け付ける。ライトノベルでは老舗の新人賞で、角川スニーカー文庫が実施しているスニーカー大賞はカクヨムからの応募が可能になった。小説投稿サイトが新しい才能を世に送り出す窓口として、機能や存在感を増していく傾向が続きそうだ。

セルフ・パブリッシングの動きも拡大