【著者は語る】一木広治氏「夢を実現するパラレルキャリア」


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 □JAPAN MOVE UP代表・一木広治氏

 ■新しい働き方、豊かな人生のヒントに

 「新しい働き方」というワードが世の中をにぎわせています。経営学者のピーター・ドラッカー氏は、社会において複数の仕事や役割を持つ「パラレルキャリア」をこれからの生き方として提唱しました。

 新しい働き方は、アルバイトや内職のようなものではなく、自分の夢を実現することです。本書では、志を実行に移し、チームを作り、同時に複数のプロジェクトを進行させて、その夢を形にすることを提起しています。こうした働き方は、本業にも相乗効果をもたらします。

 そういう私は、夢の実現に向けて進もうとしている一人です。2007年に東京から日本を元気にする「TOKYO MOVE UP」というプロジェクトをスタートし、16年には20年東京オリンピック・パラリンピックの招致活動に携わってきました。

 招致成功後の現在は、オリンピック・パラリンピックの盛り上がりを東京にとどめず、日本全国を元気にするための活動を行っています。その中で今度は「JAPAN MOVE UP」をテーマに、東日本大震災後の日本の復興や文化、芸術、技術、食、エンターテインメント、観光を世界に見せる活動を、各地の首長の方々とも連携して行っています。

 このように、肩書は自分の活動のキャッチコピーでもあり、自分でも作れるものです。そして、それは足し合わせるものではなく、掛け合わせるもの。社会を良くするために自分が仲間とできることは何か。ITの時代だからこそ、自分の存在意義を自分で考え、一歩踏み出すことで人生に張りが出てきます。

 日本の社会の変化が予想される20年は、まさに「パラレルキャリア」にふさわしい年です。この節目を経験できることは、特に若い人たちにとって今後の財産となります。20年、そして「beyond2020(20年の先)」に向けて、働き方を見つめてみてはいかがでしょうか。その際に、本書が新しい働き方を探る、自分の人生を豊かにするヒントとなれば幸いです。

 巻末では、加藤勝信厚生労働相、「EXILE」のUSAさんとの特別対談も収録しています。(1620円、主婦の友社)

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【プロフィル】一木広治

 いちき・こうじ 1964年生まれ。「日本を元気に!」をテーマに活動するJAPAN MOVE UP代表。都市型フリーペーパー「TOKYO HEADLINE」を発行するヘッドライン代表取締役社長。一級建築士、二十一世紀倶楽部理事事務局長、夢の課外授業総合プロデューサー、淑徳大学客員教授、LDH顧問エグゼクティブプロデューサーなどをはじめ多数の企業、イベントの顧問を務める。