親とゲームをする子は将来有望 社会の縮図を学ぶ「ゲーミフィケーション」の世界とは (2/6ページ)

 「主に1人でやるデジタルゲームと違って、ボードゲームでは親や友達と一緒に遊ぶことで相互作用が生まれます。そこで会話したり、他のプレーヤーがどのようなやり方で勝ったのかを見て学んだりすることができます。このような社会的な環境のなかで、さまざまな学びが得られるのがボードゲームの特徴なんです」(藤本さん)

*ゲームと学習の研究者ユニット。左からフューチャーインスティテュート株式会社代表・為田祐行さん、東京大学特任講師・藤本徹さん、東京大学特任助教・福山佑樹さん、カレイドソリューションズ株式会社代表・高橋興史さん(PRESIDENT Onlineより)

*ゲームと学習の研究者ユニット。左からフューチャーインスティテュート株式会社代表・為田祐行さん、東京大学特任講師・藤本徹さん、東京大学特任助教・福山佑樹さん、カレイドソリューションズ株式会社代表・高橋興史さん(PRESIDENT Onlineより)

 「LudixLab」メンバーの福山佑樹さん(東京大学の特任助教)も説明する。

 「ロシアの教育学者・ヴィゴツキーが提唱した『発達の最近接領域』(※)という概念があります。ボードゲームにおいても子供は自分よりも経験値が高い人と遊ぶことで、普段の自分ができるよりも少し難しいことに取り組めるようになっていきます。自然とキャパシティーが広がり、いろいろな力が伸びていくんです」

 ※子どもが自力で問題解決できる水準と、他者からの援助や協働により解決可能となる、より高度な水準のずれの範囲のこと。

 ▼ボードゲームで来るAI時代を“生きる力”をつける

 こうした力こそ、来るAI時代を“生きる力”になると語る。2020年には大学入試方法を含む大規模な教育制度改革が行われる。新学習指導要領では、生きる力をつけるために以下の3つが重要だとしている。

 (1)基礎的・基本的な知識・技能

 (2)知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力など

 (3)主体的に学習に取り組む態度

 (1)はこれまでの教育で日本が得意としてきたことだ。問題は、(2)と(3)である。

子供はボードゲームの盤面で「社会の縮図」を知る