お城 値上げの陣 かさむ維持費…「入城料」アップ相次ぐ “城主”負担軽減狙い (2/4ページ)

「平成の大修理」を終え27年3月から入場料の大幅値上げに踏み切った姫路城
「平成の大修理」を終え27年3月から入場料の大幅値上げに踏み切った姫路城【拡大】

 これらの城に先駆けて、大幅な値上げに踏み切ったのが世界文化遺産の姫路城(兵庫県姫路市)。「平成の大修理」が終わった27年3月、高校生を除く大人の入場料を、修理前の600円から千円にした。値上げは15年ぶりのことだった。

 「姫路城の値上げが他の城に与えた影響はあると思う」と話すのは、「日本100名城」を定めている公益財団法人「日本城郭協会」理事の加藤理文さん(59)。「姫路城の例を受け、見学者に相応の負担を求めようと考えたところもあるのでは」とみる。

収支のバランス考慮

 こうした城を管理しているのは自治体だ。入場料収入は、城の運営や維持などにかかる費用の原資だが、足りなければ税金で補う必要が出てくる。

 姫路城管理事務所に聞くと、値上げは「おもてなし対策を充実させるほか、収支バランスを考慮した」と説明する。