言語化とロジック思考に濃淡をつけよう 日本と南欧ラテン文化圏の違い (1/3ページ)

【安西洋之のローカリゼーションマップ】

 この10数年間、日本企業が海外進出する場合、考えや思いを言語化することやロジック思考が大切であることを説いてきた。長く外国に生活してきたぼくが語れることは海外市場に関することで、(日本の人に対して)国内市場について語るのは少々控えてきた。

 一方、ぼくが言ったこととは(幸か不幸か)関係なく、日本におけるビジネス議論も「そっち側」に向くように時代が動き、ロジカルシンキングの本が書店の棚にずらりと並んできた。

 今もロジカルに考えることは必要だと思う。それも、この場合のロジカルとは数学のような厳密な次元ではなく、日常生活で、いわば「風が吹けば桶屋が儲かる」と説明できるような訓練や馴れが求められていることである、との主張にまったく変わりがない。

 グローバルにビジネス活動を圧倒的な人数で行うケースを想定した場合、日本の大企業でロジックが軽視されていることは相変わらず多いと感じる。そこで「欧州市場でモノを売りたいなら、商品企画書をパワポではなくワードで書くことだ」とも言ってきた。

 しかしながら、この論の適用に際しては産業や企業の規模によってもっと差異があることを認識した方が良い、との想いがぼくの中でじょじょに強くなってきた。

 というのも、グローバルな巨大企業で求められるような言語化やロジカルシンキングを必要としなくても良い人たちへの心理的圧力があまりに強すぎる、と感じるからだ。

「言葉にできないことがある」と正々堂々言おう