エイズ感染、薬で予防 国際医療研究センターが国内初の臨床研究実施へ

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 エイズウイルス(HIV)に感染するリスクの高い人に対して、治療目的で使われている抗ウイルス薬を毎日飲んでもらい、感染が予防できるかを調べる国内初の臨床研究を、国立国際医療研究センター病院(東京)が2月から始めることが29日、分かった。

 主な感染経路は性行為のため、コンドームの使用を呼び掛けるなどの対策が行われているが、新たなエイズ発症者と未発症の感染者の報告は年に計1500人前後で高止まり状態。海外では薬を予防に使う国が増えており、日本でも有用性を示し、感染拡大を防ぐ新たな手段としたい考えだ。

 この手法は「PrEP(プレップ)」と呼ばれ、抗ウイルス薬「ツルバダ」を毎日服用する。コンドームの破損や使用を避ける人がいるなどのリスクから感染していない人を守る手段にもなる。

 研究では、感染リスクが高いとされる同性間の性的接触がある男性などを対象に「1年以内に梅毒など他の性感染症にかかった」「半年以内にコンドームなしで性行為をした」などの条件に合う120人の参加を募る。