「ぶっちゃけ」「テンパる」「オコのプン」。近年、若者によく使われているスラングだ。産経新聞の編集長などを務めた著者は「美しい日本語の喪失は文化の喪失」と嘆き、そういった言葉が社会状況や世界情勢をどのように反映しているのか、2010年から約7年にわたり月刊誌「正論」に諧謔(かいぎゃく)味たっぷりのコラムを連載した。それをまとめたのが本書だ。
この間に東日本大震災、民主党政権の迷走、北朝鮮のミサイル発射実験、トランプ大統領誕生などがあった。自分の頭で考えない言葉の蔓延(まんえん)に、著者は人類が21世紀のうちに滅びるのではと懸念する。(1728円、展転社)