贅沢三昧の父子家庭 「デパートと外食」で月30万の非常識 (2/4ページ)

 離婚の際、子どもたちはMさんと暮らすと言ったそうです。Mさんは「うれしさで心の傷もだいぶ癒えた」と話します。子どものために毎日張り切って仕事をし、平均手取り月収は以前と変わらず45万円ほど。しかし、毎月5万円も赤字が出ているのです。親子3人、毎月の支出が50万円を超えるというのは、ちょっとひどい状態と言わざるをえません。

 また、今まで夫婦で計画的に貯金をせず、離婚により慰謝料と貯金から住宅ローンを完済したこともあり、現状、Mさんの貯金は普通預金の300万円のみ。これでは将来に大きな不安が残ります。

 「デパートでの定価買い」15万超、食費は外食込みで14万

 Mさんは「食費や日用品費にいくらかかるのかなど全くわかりません。細かいことは苦手なので、とにかく赤字にならないコツを教えてほしいんです」と、すぐに結論がほしい様子でした。

 私は家計相談に見える方によくお話しするのですが、一瞬で家計を再生させる「魔法」はありません。まずは何にいくら使っているのかを知り、その中で何を削れるかを考え、できることから実行する。この過程を自分自身で行うことでしか、家計の再生はありえません。

 よってMさんにも、まずは「何にいくら使っているのか」を洗い出してもらいました。「実はよく覚えていない」とのことでしたが、仕事柄、レシートや領収書は必ず取っておくそうで、私と一緒にレシートを1枚1枚チェックしながら、費目ごとにまとめてみました。

 ▼低価格ファッションチェーン店での買い物はみじめな気分

 すると、離婚前も現在も続く、大きな「こだわり浪費」が姿を現したのです。

 「こだわり浪費」で一番大きかったのは、「洋服からお総菜まで、デパートの定価買い」。これが毎月15万円以上の出費になっていました。MさんもK子さんも裕福な家庭で育ったうえに、自分たちも高収入を得ていたので、週末にデパートへ出かけ、洋服などの買い物をして、ランチやティータイムを楽しみ、晩ご飯のお総菜を買って帰る、という生活パターンが当たり前のことだと思っていたのです。

 長年染みついた浪費習慣は、離婚というショッキングな出来事のあとも変えられませんでした。

三ツ星レストランで食事をすることが「仕事柄の常識」