実質賃金2年ぶりマイナス 物価の伸びに賃金追いつかず


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  • 道に雪が残るなか、出勤する人たち=1月26日、東京都内(福島範和撮影)

 厚生労働省が7日発表した毎月勤労統計調査(速報)によると、平成29年の物価変動の影響を除いた実質賃金は前年比0・2%減で、2年ぶりのマイナスになった。働く人1人当たりの月平均の給与総額(名目賃金)は0・4%増の31万6907円と4年連続で増加したが、物価の伸びに賃金の伸びが追いつかず、前年を割り込んだ。

 実質賃金は労働者の購買力を示す指標。28年は5年ぶりにプラスへ転じたが、29年は原油価格の上昇などで消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)が0・6%上昇し、名目賃金の伸びを打ち消した。安倍晋三首相は今春闘で経済界に3%の賃上げを要請しているが、デフレ脱却に向け、本格的な賃上げがどこまで浸透するかが焦点だ。

 29年の名目賃金の内訳は、基本給など所定内給与が0・4%増の24万1228円、残業代など所定外給与も0・4%増の1万9565円。ボーナスなど特別に支払われた給与は0・4%増の5万6114円だった。

 また就業形態別では、正社員などフルタイムで働く労働者は0・4%増の41万4001円、パートタイムで働く人は0・7%増の9万8353円だった。残業を含む1人当たりの年間の総実労働時間は1721時間で、比較可能な2年以降最も短くなった。

 同時に発表した29年12月の名目賃金は前年同月比0・7%増の55万1222円。一方で実質賃金は0・5%減で、2カ月ぶりのマイナスとなった。