住宅各社、人材確保へ「基礎工事」 現場の効率化や若手職人育成、福利厚生拡充の動き (1/3ページ)

積水化学工業は大型ロボットを導入した生産集約化や工場内の空き空間の有効活用により、建築現場の負担減を実現した=奈良市のセキスイハイム工業近畿事業所
積水化学工業は大型ロボットを導入した生産集約化や工場内の空き空間の有効活用により、建築現場の負担減を実現した=奈良市のセキスイハイム工業近畿事業所【拡大】

 大手住宅メーカーが、住宅建築現場における人手不足への対策を強化している。積水化学工業は大工工事の一部を専用工場に取り込んで現場での負担感を軽減。また、積水ハウスや住友林業は若手職人の受け入れ体制の強化に乗り出した。福利厚生面での対策も進んでおり、大和ハウス工業は2021年4月に完全週休2日を目指す。

 少子化で日本の労働力を担う生産年齢人口は、40年に15年比で約2割減少する見通し。大工不足はそれを大きく上回るペースで推移するとみられるため、人手不足対策をめぐる動きはさらに活発化しそうだ。

 工場にロボット導入

 ファナックのロボットが溶接を行い、安川電機のロボットが部材を搬送する-。まるで自動車工場のようなラインが住宅の工場に導入されている。積水化学の鉄骨系住宅を生産する、セキスイハイム工業近畿事業所(奈良市)だ。

 同事業所はセキスイハイムの全国8工場の一つ。同住宅では、6面体のユニットを建築現場で積み重ねて完成させる工法を取り入れており、同事業所では年間1500棟分のユニットを生産、近畿一円に供給している。

 工場ではトイレやキッチンなどをあらかじめユニットに取り付けておく。このため現場での作業工程は少なくて済み、施工日数は40~50日と他の工法に比べ短いのが売り物だ。

大工問題が深刻化