絶対に会社を潰す「ダメ社長」3つの傾向 会社は、社長ひとりで「99%決まる」 (3/5ページ)

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 人間心理を無視した経営はダメ

 会社は、社長が決定したようにしかなりません。そして、経営計画書は、社長の決定の集積です。

 いくつかの選択肢の中から、「やること」と「やらないこと」をはっきりさせ、「やる」となったら徹底的に、勝つまでやる。やらないと決めたことはクヨクヨ振り返らない。

 それが、先行き不透明な現代社会で小さな会社のかじ取りをしていく秘訣なのです。

 私は、「人間心理を無視して経営をしてはいけない」と考えています。社員は、「面倒なことはやらない。都合の悪いことはやらない」のがまともです。だとすれば、「面倒なことでも、都合の悪いことでも、やらざるを得ないルール」を決定するのが社長の務めです。

 私は、ビジネスに直結することだけでなく、クルマの運転のしかた、安全運転の心得に至るまでルールを定め、1冊のルールブックにまとめています。

 そしてこのルールブックこそが、当社の経営計画書となっているのです。

 たとえば社長が口頭で、「おい、運転中は携帯電話は禁止だ」と社員に伝え、社員は「はい」と返事をしたとします。

 けれど、「はい」と返事をしたからといって、ルールが実行されるわけではありません。社員の「はい」は、「聞こえました」という意味であって、「実行します」という意味ではないからです。

 そこで私は、社員が「やらざるを得ない状況」をつくっています。「重大事故防止のために全車両にクラウド型ドライブレコーダー管理システム<タイガー>を設置し、運転マナーを向上させる」と経営計画書に明記することで、実行を促しているのです。

 会社は社長が決定したようにしかなりません。そのことを知らない社長、実行できない社長は「残念な社長」と言わざるをえないのです。

強い“覚悟”を社員に示せるか