「働き方」に期待と不安 会社説明会開始

企業の合同会社説明会「みん就フォーラム」に参加した学生ら=1日午後、東京都中央区(松本健吾撮影)
企業の合同会社説明会「みん就フォーラム」に参加した学生ら=1日午後、東京都中央区(松本健吾撮影)【拡大】

 平成31年に卒業する大学生らの就職活動が本格的に始まった1日、各地で学生を集めた会社説明会が開かれた。学生優位の売り手市場が続く中、電通やNHKなどの過労死事件を受け、学生は「やりがい」だけでなく「働き方」を重視している。会場では「ワークライフバランス」について熱心に話を聞く学生の姿が目立った。

 東京都中央区で開かれた就職情報収集サイト「みんなの就職活動日記(みん就)」が主催するイベントには、保険会社やマスコミなど大手約50社が出展。「みん就」を展開する楽天メディア事業部によると、働き方改革への取り組みをアピールして学生の関心を引きつけようとする企業が目立つという。

 「やりたい仕事が分からない」という私立大3年の田中玄太さん(21)は、条件面から志望企業を絞る。「業界にこだわりがない分、福利厚生の手厚さや離職率を分析して、長く働ける企業を見つけたい」

 若手社員が自らの経験をもとに助言したり、ワークライフバランスについて時間をかけて説明したりする例も目立つ。同3年の福井翔大さん(21)は「仕事には苦しいこともあるはず。良い面ばかりを話す企業が多く、信じてよいのか分からない」と不安ものぞかせた。

 一方で、広告業界を志望する同3年の長沢野乃子さん(21)は「ワークライフバランスは気になるが、志した仕事なら多少の無理は我慢できる。やりがいを優先して企業を選びたい」と意欲を燃やしていた。