服用1回で効果、塩野義インフル新薬「ゾフルーザ」 14日から保険適用、今月中にも発売

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 厚生労働省の諮問機関、中央社会保険医療協議会は7日、塩野義製薬が開発するインフルエンザの治療薬「ゾフルーザ」について、14日からの保険適用を了承した。錠剤を1回飲むだけで効果が期待できるため、インフルエンザ流行に間に合わせるため緊急的に適用を前倒しした。塩野義は保険適用され次第「速やかに発売する」としており、今月中にも発売される見込み。

 インフルエンザ治療薬として広く使われている「タミフル」は、5日間の服用が必要なのに対して、錠剤を1回服用するだけで効果が期待される。タミフルなどの既存薬は細胞内で増殖したウイルスが細胞外に広がるのを防ぐのに対し、ゾフルーザは細胞内でウイルス自体の増殖を抑制する世界初の仕組みを持っている。

 価格は20ミリグラム錠約2400円。年齢や体重によって飲む量は違うが、体重が40キロ以上80キロ未満の成人ならば、原則として1回2錠服用する。患者側は1~3割を負担する。

 ゾフルーザは有望な薬を世界に先駆けて実用化するため、厚労省が優先的に審査する「先駆け審査指定制度」の対象となっており、昨年10月の申請から約4カ月で製造販売がスピード承認されていた。一般的なスケジュールだと、薬価が決まるのは5月とみられていたが、前倒しされた。