【Luxeな日本~地元発】山形に根付く京文化 雛飾り巡る旅 菊地喜美子

幸福のシャワー、傘福は山形県酒田市の山王くらぶで5月20日まで飾られる
幸福のシャワー、傘福は山形県酒田市の山王くらぶで5月20日まで飾られる【拡大】

  • 3月20日から25日まで山形県村山市ではロング雛壇が登場。写真は昨年のロング雛壇(村山市観光物産協会提供)
  • 御菓子司・小松屋の雛の飾り菓子は目でも楽しめる「芸術品」だ
  • 菊地喜美子

 江戸時代、紅花交易で京との往来が盛んだった山形県。その交易船に乗ってやってきた京文化の一つが雛人形だ。2月から5月にかけて県内各地では、競うように工夫をこらした雛飾りが姿を見せる。それらを訪ねる山形・雛巡りの旅が国内外からの観光客の人気を集めている。

 京との交流が特に深かった酒田市では、創業天保3年(1832年)の御菓子司小松屋。目で見て楽しめる画から抜け出したような美しく上品な色彩と繊細な模様の飾り菓子はまさに芸術作品だ。店主の小松尚さんが見せてくれた3枚組の木型は片栗細工に使うもので、3枚組は珍しいそうだ。美しい絵で紹介された明治時代の見本帳を眺めていると、小さな飾り菓子が染みこんだ伝統の技で重く感じた。

 同じく酒田市の山王くらぶには、つるし飾り「傘福」がある。ねずみやナスなど100種類に及ぶ細工物がつるされた飾りがいくつも下がっている。細工物は女性や子供たちが家族の幸せを願いながら、ひとつひとつ、一針ずつ愛情をこめて作ったもの。まさに「幸福のシャワー」だ。

 そして、村山市のロング雛壇。6千体の雛人形がずらりと並ぶ光景は、圧巻の一言だ。県内にはまだまだ特色のある雛飾りがいっぱいある。山形雛巡りの旅は終わらない。

 【luxe(リュクス)】 フランス語で元の意味は「贅沢」。最近は優雅で上品でありながら、洗練された贅沢なもの・ことなどの意味で使われる。

<プロフィル>

 きくち・きみこ NHK山形放送局を経て、小学校教師に転身。その後フリーアナウンサーとして、司会をメインに活動。

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