大阪大、筑波大、九州大でも実施中 “筆記テストなし”の国立大が急増する深刻な事情 (1/5ページ)

 入試で「筆記試験」を実施しない国立大学が増えている。大阪大学、筑波大学、九州大学といった「名門校」でも筆記試験なしのルートができている。だが「筆記試験不要の大学が増えれば、学力の劣った学生が増えるのではないか」と考えるのは早計だ。事態はむしろ逆で、そうでもしないと優秀な学生を集められなくなっているのだ--。

 推薦・AOを入学定員の30%に引き上げる

 入試で「筆記試験」を行わない国立大学が増えている。文部科学省によると、2017年7月現在、国立大学の6割以上がAO入試、9割以上が推薦入試を実施している。このなかには大阪大学や筑波大学、九州大学といった「名門校」も含まれる。

 背景にあるのは、2015年に国立大学協会が示した「推薦入試、AO入試などの割合を、2021年までに入学定員の30%に引き上げる」という方針だ。この目標はかなり高い。

大阪大学の「AO・推薦入試」の特設ページ

大阪大学の「AO・推薦入試」の特設ページ

 国立大学全体(大学院大学を除く)における、2017年度の推薦・AO入試の割合は16.3%で、2018年度は16.8%だった。「2021年までに30%」が達成できるかは微妙だが、各大学は「筆記試験重視」の見直しに向けて、一気にかじを切っている。

 国立大学協会の広報は、数値目標を定めた理由について、「確かな学力とともに多様な資質を持った入学者を受け入れるという姿勢を主体的に示し、国民をはじめ各方面の関係者に広く理解していただきたいと考えたため」と説明する。

「多様な資質を持った入学者を受け入れる」とはどういう意味か