仕事・キャリア

必要なのは「仕事の与え方」改革だ 裁量労働制“日本では無理”これだけの理由 (2/6ページ)

 裁量労働制の「本質」とは何か

 だが、いずれにせよ、国会における議論は、どうも本質から外れていってしまっていると思う。そこで、本稿では裁量労働制を正しくとらえた上で、どうして導入がうまく行かないのか、どうしたらうまく行くのかについて考えてみたい。

 先に結論を言うと、裁量労働制は絶対悪ではない。しかし、国、そして経営者がしている身勝手な理解を見るに、今のままでは、彼らには扱いきれない制度だというしかない。働き方改革とともに、「仕事の与え方」改革が、まずこの国には必要なのである。

 裁量労働制とはそもそも何であるか、確認しておきたい。裁量労働制とは、9時-17時など勤務時間の定めがあるような通常の雇用形態とは異なり、労働時間を実際に働いた時間ではなく一定時間働いたとみなす制度である。

 例えば、会社の使用者と労働者が1日のみなし労働時間を8時間と設定した場合、たとえ半分の4時間しか働かなかったとしても8時間働いたとみなし、給料の減額などをしないことになる。逆に8時間以上働いたとしても8時間を超える労働時間分の残業代も支払わないということである。

 しかしながら、このような働き方であっても、みなし労働時間8時間を超えて設定した場合は超える時間分の残業代、22時から5時までの深夜勤務や法定休日勤務にかかる割増賃金は支払われなければならない。

 会社が勝手に決めて導入することはできない

 なお、裁量労働制は決められた業務にしか適用されない。

 当該業務は「専門業務型」と「企画業務型」に分かれ、「専門業務型」は厚生労働省令で定めるか厚生労働大臣が指定する全19種類の業務以外は適用の対象にならない。

 また「企画業務型」(今回、拡大の対象となった業務)にも裁量労働の適用対象とするためにはさまざまな要件を満たす必要があり、何より「企画専門型」は「専門業務型」と異なり、本人の同意も必要になるのである。

 要は、どちらも会社が勝手に決めて導入することはできないのだ。

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