必要なのは「仕事の与え方」改革だ 裁量労働制“日本では無理”これだけの理由 (3/6ページ)

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 例えば「コンピューター会社『エーディーディー事件』(京都)」の裁判では、SEに本来業務のほか、プログラミングや営業活動をさせていたことで裁量労働制の違法が認められ、会社側に1140万円の支払いが命じられた。このように、裁量労働制の導入要件を満たしていない、逸脱している働かせ方などは問題外だ。このような事件になるものは異例かもしれない。しかし、裁量労働制の適正な運用を妨げ得る要因を、多くの「普通の」企業が抱えている現実がある。

 人事コンサルタントとして気になるのが、管理職の要件ともからむ問題である。いわゆる「名ばかり管理職」の現状についてこそ、まず問題視すべきなのだ。

 「管理職だから残業手当や休日出勤手当を支払う必要はない」、これは一般的に知られ、そしておよそどの企業でもそのように運用しているが、実際には会社内で管理職としての地位にある社員でも、労働基準法上の管理監督職に当てはまらないことがある。

 いや、もっとはっきり言ってしまえば、どの企業の管理職も、少なくとも課長あたりは管理監督職には当たらないのが実情だ。なぜなら、管理監督職の要件を満たしていないからである。

 管理監督者に当てはまるかどうかは、課長や部長などの役職名ではなく、その社員の職務内容、責任と権限、勤務態様、待遇を踏まえて実態により判断されなければならない。

 具体的には、以下3つの要件に当てはまらない社員は、社内で管理職と言われる役職についていても残業手当や休日出勤手当を支払わなければならないのだ。

 (1)経営者と一体的な立場で仕事をしている

 (2)出社、退社や勤務時間について厳格な制限を受けていない

 (3)その地位にふさわしい待遇がなされている

 もしあなたが会社で「管理職」として働いているとして、これらは守られているだろうか。

まずは「名ばかり管理職」問題の解決を