必要なのは「仕事の与え方」改革だ 裁量労働制“日本では無理”これだけの理由 (4/6ページ)

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 まずは「名ばかり管理職」問題の解決を

 ここで多くの会社における課長職が管理監督者と言えないのは、おおよそ(2)の要件を満たしていないからだ。出退勤時間が厳密に定められ、遅刻や早退、欠勤などにより賃金を控除されるようではアウト、仮に勤怠管理はされていなくても、実質的に店舗の営業時間や職場の就業時間に拘束されていたら、まずはこの要件を満たさない。実際、出社、退社時間を自由に決められる課長職がどれほどいるだろうか。部長職でも難しいかもしれない。

 現在、労働基準監督署に寄せられる相談件数のトップは「パワハラ」に関することだそうだが、労使双方がパワハラに関する理解を深め、その対応が成熟してくれば、次にスポットが当たるのは、この「名ばかり管理職」問題だろう、とある労基署職員が言っていた。

 それほど、管理職と言われながら、実態としては労基法上の管理監督職に当てはまらず、本来であれば残業手当や休日出勤手当を支払わなければならない社員が多いのだ。

 だが、一部の企業が法律的にはグレーもしくはブラックな役職を管理職と呼び、社員を当該役職に任命するのは、やはり残業手当や休日出勤手当を支払いたくないからと言わざるをえない。

 話を裁量労働制に戻そう。

 一部の企業がグレーゾーンで運用している「名ばかり管理職」。これと同じ理由で、企業が裁量労働制を採用しようとするのであれば、当該制度の導入は失敗する。そもそも裁量労働制において、会社から出勤時間を指示するのは違法行為であり、指示があって以降、裁量労働制は無効となるからだ。

必要なのは経営者側の意識改革