雇用「5年で無期転換ルール」始まる 更新に上限設け適用逃れも

 有期雇用契約の労働者が同じ企業で通算5年を超えて働けば、期間の定めのない契約へ移行できる労働契約法の「無期転換ルール」が今月から始まった。要件を満たす労働者が勤務先に申請すれば適用される。有期労働者の雇用安定化が期待されるが、契約更新年数に上限を設けるなど、適用逃れが疑われる企業も既に現れている。厚生労働省は、制度の趣旨に沿った対応を呼び掛けている。

 無期転換ルールは2013年4月施行の改正労働契約法で定められた。施行日以降に契約更新を重ね、同じ企業での勤続期間が通算5年を超えた人が対象で、企業は申請を断ることができない。ただ同法は、無期転換後に賃金などの労働条件を改善することまでは義務付けていない。

 企業によっては5年より短い期間で転換が可能になる仕組みをつくるなど、いち早く待遇是正策を打ち出している。だが更新上限について、あらかじめ契約時に5年を超えないように定め、ルール適用を免れようとするケースも出ている。

 また同法は契約終了後、6カ月以上間隔が空いた場合は再雇用されても通算期間がリセットされるとの規定を設けている。この「クーリング期間」の悪用も懸念されている。

 連合が2月に実施した電話相談では、3日間で寄せられた約800件の相談のうち、契約打ち切りなどは81件に上った。医療介護業界で働く40代女性の事例では、契約更新の上限を5年とされ、満了となる今年4月での契約打ち切りを通告された。女性は「もう数年は働きたかった。(契約が)『無期転換対策』なのは明らかだ」と訴えた。

 厚労省では2月から相談ダイヤルを設置している。