仕事・キャリア

月10万でも首都圏から広島へ “市長補佐の副業”に応募した395人の動機とは (4/5ページ)

 外資系製薬企業の42歳ディレクター

 採用された5人の年齢は女性2人を含む33歳から59歳、製薬会社、映像製作会社、投資ファンドなどの現役の社員だ。その1人が外資系製薬企業の経営戦略部門のディレクターを務める裴崗(ぺい・こう)さん(42歳)。

 中国から日本に留学し、日本の大手通信会社勤務から外資系ヘルスケア企業を経て現在の会社に転職したばかりだった。裴さんは応募の動機についてこう語る。

 「転職先の人事制度のオリエンテーションで真っ先に説明されたのが副業制度でした。副業を推奨しているのでやりたい人は兼業届を出してくださいと言われてすぐに手を挙げました。福山市に応募したのは住民サービスという民間と違う分野で自分のバックグラウンドが生かしてアドバイスできるのではと思いました。もう一つはふるさと納税をしたことをきっかけに、日本の地方には海外の人が知らないすばらしい工芸品や観光資源があることに気づかされ、その発信をお手伝いしたいと思ったのです」

 裴さんの会社はリモートワークなどテレワークを推奨しているので本業との両立も可能だという。福山市役所の印象について「部長も含めて職員の方々が社会的使命感に燃えているのをひしひしと感じた。私も行政と関わることで今までにない充実感があります。私にとっても異なる視点を持つことができるし、自分の今後のキャリアにとっても役に立つと思う。想定外の楽しみに今からワクワクしている」と喜びをあらわにする。

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