迎えた入社初日。「会社の雰囲気はよかったです。みんな仕事を教えてくれるし」。この日は4時間ほど金融や税金の講義を受けた。
そんな玉田さんが会社に初めて違和感を抱いたのは2日目。営業電話をしている業務を実際に見たときのことだ。
「『税金を取り戻しませんか』と顧客に電話しているのを見て『これはダメかも……』と思ってしまいました。会話すら成立せずに断られていることもあり、こんなに世の中に必要とされていない仕事があるのかと落胆しました」
先輩社員からは「そのうち慣れる」と言われたが、彼女はすでに明日の出社を面倒に感じていた。
3日目、いよいよ電話を実際にかけてみることに。
「営業用の原稿があって、それをひたすら読み上げるんです。でも、電話をかけてもすぐ切られ、精神的にどんどんすり減っていきました。午前中に電話をかけ終えて、昼休みに辞めようと考えました。私は人見知りの性格でガツガツしているわけでもないし、断られるのも悲しいし、そもそも人の役に立ちたいと思って志望したのに今、何やっているんだろうと虚しくて」
歓迎会の話が持ち上がったのがきっかけ
退社の決断をした大きなきっかけは、玉田さんの歓迎会の話が持ち上がっていることを聞いたからだ。
「歓迎会後は辞めづらくなると思い、できれば3日目のうちに言いたかったけど、勇気がありませんでした」