【書評】『検証 検察庁の近現代史』倉山満・著 権力強大化の過程リアルに


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 日本の真の司法権は、裁判所ではなく検察庁にあると、著者は説く。検察が起訴すれば、有罪率は99.9%。被告人にほぼ勝ち目はない。では検察は、どのようにして権力を強大化させてきたのか、それを明らかにしたのが本書だ。

 明治期の藩閥体制では“傍流”だった検察組織が、学閥の台頭とともに勢力を持ち、政治と結び付きながら影響力を増大させていく過程が、歴史的事件とともにリアルに描かれている。検察の近現代史は、日本の近現代史そのものだと言っても過言ではないだろう。

 若手の憲政史家として注目を集める著者の、渾身(こんしん)の一冊である。(光文社新書、994円)