【著者は語る】ニトリHD会長・似鳥昭雄氏 「リーダーが育つ55の智慧」 (1/2ページ)


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 ■躍進支えた「人財」「組織」育成のノウハウとは

 弱冠23歳で似鳥家具店を札幌に開業した際、私は特に大きな志を抱いていませんでした。どうにか食べていければ、それで満足だったのです。昨年12月はその日から数えて50周年目で、この半世紀の間にニトリの店舗網は広がり続け、ついに500店舗を突破しました。

 業績も拡大の一途をたどり、2018年2月期には31期連続の増収増益を遂げました。東京証券取引所1部上場企業として前例のないもので、当社が達成してきた記録を自ら更新したことになります。もっとも、50年間の道のりは平坦(へいたん)でなかったのも事実です。当初は倒産の危機にさらされ、自殺を覚悟したこともあります。そもそも私は幼少から勉強が苦手な落ちこぼれで、何一つうまくいったためしがなかったうえ、対人恐怖症で接客下手でした。

 そんな私の転機となったのは、わらにもすがる思いで1972年に参加したアメリカ西海岸視察セミナーでした。アメリカ人の暮らしぶりに衝撃を受け、日本人の住まいにも同じような豊かさを提供したいというロマン(大志)が私の中に芽生えたのです。私はロマンを実現させるために、「30年後に100店舗、売上1000億円の達成」というビジョン(長期目標)を掲げました。その時点ではまだ2店舗しかなかったにもかかわらず、壮大な目標を課したのです。計画よりも1年遅れてしまったものの、私が掲げたビジョンは2003年に現実となりました。この長期目標を達成するために中期的・短期的には何をすべきかを逆算し着実に遂行したからです。そして何より、ニトリの成長を牽引(けんいん)したのが“人財”でした。

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