三芳町から訪れた西山忠行さん(75)は「3県境を身近に見たのは初めて。車で来る途中、カーナビがわずかの間に『群馬に入った』『栃木に入った』と知らせてくれ、いよいよ目的地が近づいたなと実感した」と興奮気味に話した。
20年前から手書きの看板で境界点の位置を知らせてきた栃木市の古沢満明さん(84)は訪れた人のために、手作りのスマートフォン用スタンドや、自由に感想を書いてもらうためのテーブルやノートを設置した。
古沢さんは「以前は県境マニアらが多かったが、最近は一般の観光客や家族連れが増えた。ノートには40都道府県から訪れた人の書き込みがある。『県境があってうらやましい』という北海道の人の感想が印象に残っている」と語る。
渡良瀬遊水地近くにある道の駅きたかわべ(加須市)では5月に3市町の物産展など県境フェアを開催した。常設の3県境コーナーには「かぼちゃまんじゅう」「雷電うどん」のほか、地元農家が持ち込む新鮮な野菜などが販売されている。
加須市北川辺総合支所地域振興課の川島昌美主幹は「近くの渡良瀬遊水地と一体化した取り組みにも力を入れたい。利便性も良くなったので多くの人に訪れてほしい」と力を込める。