採用選考の指針形骸化も 面接解禁で就活ヤマ場、内定率4割強 (1/2ページ)

 2019年春に卒業を予定する大学生らが対象の就職活動は1日、大手企業による面接が解禁され、ヤマ場を迎えた。経団連指針に沿ったものだが、景気回復による人手不足で企業の採用意欲は旺盛で、空前の売り手市場。優秀な学生を早期に囲い込む傾向も鮮明で、民間調査によると既に内定率が4割強に上るとのデータもあり、指針の形骸化を懸念する声も上がる。企業は人材確保へ短期インターンシップの増加や給料・待遇改善で知恵を絞っている。

 就職情報のリクルートキャリアの調査では、来春卒業予定の大学生の5月1日時点の就職内定率は42.7%だった。

 経団連の採用選考に関する指針は、会社説明会が3月1日、面接や筆記試験などの選考活動は6月1日、正式な内定は10月1日の解禁と定めている。

 だが、経団連に加盟しない外資系やIT企業などは指針に縛られず、独自の採用活動を展開する。1日、金融機関面接に参加した女子学生は「金融系2社から内定をもらっている」と話した。

 深刻な人手不足に直面している流通大手の採用担当者も「すでに事実上の内々定を出した。指針を守り、採用数は確保できないとの弁明は通らない」と苦しい胸の内を明かす。外食産業の危機感も強く、年間100日超の休日など待遇面改善を打ち出し、人材確保に躍起だ。

続きを読む