なぜ単純なセールストークに乗せられてしまうのか
【3:セール中のお店をなにげなくのぞいてしまう人】
家計相談で「貯金ができない」と訴える人は、ぜいたくはしていないと言いつつ、よくよく聞いていくと、「安く買う」ことに執着する共通点があります。「セール」という言葉に弱く、「今買わなくては!」と焦燥感を覚える、と彼らは言います。
例えば、あるお店に入って、5万8000円のバックがあったとしましょう。通常、買うモノを選ぶ時、自分の好みに合うか、品質は確かなものか、といったポイントをチェックし、他の商品とも比較検討して最終的に購入するか決めるはずです。
しかし、通常価格8万3000円のところ、2万5000円割引の特別価格5万8000円と表示されていると「2万5000円も安くなっている」というインパクトに影響され、「自分はラッキーだな」と思う人は少なくありません。
行動経済学に、「アンカリング効果」という概念があります。最初にみた印象的な数値や情報が、その後の意思決定や購買基準に影響を及ぼす、という心理効果を指すものです
だから、「通常価格8万3000円のところ、2万5000円割引の特別価格5万8000円、でも今日ご購入のお客様は、さらに1万円割引の4万8000円になります」といったセールストークを展開されると、もう財布のひもはユルユルです。予算オーバーでも買わなくては損をしてしまう気持ちになるかもしれません。