部下への指示が伝わらない…そんなはずでは?! 「自動思考」の罠の怖さを知ろう (2/4ページ)

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 雨が降らなければ水不足になりますし、雨の日はゆっくり読書や掃除をするのにいい機会かも知れません。なのに「雨か、嫌だな」といった捉え方が浮かんでしまう。こういった現象を自動思考と言います。

 さて、部下が期待とは違った仕事を仕上げてきたとき、皆さんはどう思うでしょうか。

自動思考は合理的でない場合も多く、思いやりのある人でも「部下の勘が悪い」「能力が低い」と捉えてしまうことがあります。

 うまくいかなかった原因が部下側にあると考えてしまうと、次回も同じような失敗が繰り返される可能性が高くなるのをご存知でしょうか。

◆「原因の捉え方」と「失敗」の関係

 何か失敗があったとき、私たちはその原因を考えます。

 例えば、ある営業マンが大事な商談をまとめられなかったとしましょう。失敗したのは「景気が悪いからだ」「商品が悪いからだ」など、自分ではコントロールできない外部要因のせいにしてしまうと、次回も同じようなアプローチをしてしまいがちです。そのため同じような商談で失敗してしまう確率は高くなります。

 逆に「プレゼンの仕方がよくなかったかも知れない」「資料が不足していたかも知れない」など、自分がコントロールできる部分に原因を探した場合、同じ失敗は繰り返されにくくなります。

 部下が期待どおりの仕事ができなかったとき、咄嗟に「能力が低いせいだ」と考えてしまう人は要注意。指示の悪さに気がつくことなく、同じ失敗を繰り返しやすい状況だといえるでしょう。

 では、上司側が指示を改善するためには何から始めればいいのでしょうか。具体的なポイントを確認していきましょう。

伝わりやすい指示「7つのポイント」