河川の氾濫や道路の冠水が相次いだ西日本豪雨の被災地で、浸水した車両のSOSを訴える声が、日本自動車連盟(JAF)に殺到している。救援依頼は被害の大きい広島、岡山、愛媛3県ですでに1千件を超えているが、道路事情の悪化などで対応は追いついていない。浸水した車両はバッテリーのショートなどで火災が起きる可能性があり、国土交通省は「浸水した車両を動かす前には点検を」と呼びかけている。
JAFによると、西日本で大雨が降り始めた今月5から8日までの4日間で、水につかった車の救援依頼は、広島県で615件、岡山県で387件、愛媛県で76件に上った。被災地域では電話がつながりにくい状況が続いており、状態が改善されれば今後さらに件数は増加する見通し。
ただ、依頼を受けても周囲一帯が冠水していたり道路の通行止めが続いていたりして作業員が現地に向かえないケースが多く、対応に時間がかかっているという。
国交省やJAFなどによると、浸水した車両は、水が引いた後に外観上は問題がなさそうな状態でも、内部の機器や電気系統に水が残り、感電事故やバッテリーのショートによる車両火災などが発生する恐れがある。