【著者は語る】和田裕美氏 「YESの9割はフロントトークで決まる!」


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 □営業とコミュニケーションの専門家・和田裕美氏

 ■成約率アップのとっておき営業ノウハウ

 日本には、物を売るという仕事、つまり営業職に就いている人が852万人ほどいますが、売れるようにならないまま、「営業はこりごり」と言ってやめていく人が後を絶ちません。これは、本当にもったいないことです。きちんと売れる方法を学んでいれば、人から好かれて信用され、交渉力も持ち、より多く稼げるようになれるはずだからです。

 ではなぜ、「売れない人」がたくさんいるかというと、営業の学び方が偏っているからなのです。営業のスキルに関してはいまだに、現場で実践を通して教育訓練するOJTで、なんとなく先輩がやっているのを見て覚えるケースがとにかく多い。

 この方法でも売れるようになる人はたくさんいると思いますが、上司や先輩にもそれぞれのやり方があり、それを受ける新人営業マンにもいろいろなタイプの人がいるわけですから、うまくマッチングしないと効果がありません。付き合いが苦手な人は、自分とはタイプの違う、コミュニケーション能力が高い先輩のやり方をなかなか受け入れられません。

 私は「営業」は学問だと思っています。先輩のやり方を漠然と身につけるのではなく、ロジックや基本動作、表現力などをきちんと学んで身につけていければ、個人差はあるにせよ、どんな人だって売れるように変われるのです。

 あまり言うと、うさん臭く聞こえてしまいそうですが、私が主催している「売れる営業に変わるセミナー」を受講した人が、売り上げ3倍、社長賞受賞といった驚くような結果を実際に出しています。もちろん、みなさん最初は「売れない営業」でした。

 本書は、セミナーの実績を知った出版社から、「その秘密を本に書いてほしい」と依頼され、生まれました。そして、その中でも、成約率を劇的にアップできるとっておきのノウハウを書きました。それが、「フロントトーク」です。お客さんが、即決してくれる方法です。

 本音を言うと、この内容は今までずっと出し惜しみしてきました。でも、852万人の営業職の人たちがもっと売れるようになったら、日本はもっと豊かになれるし、そんな未来に生きてみたいと考え、思い切って公開しました。だから、852万部売れないと困るんですけどね。(1512円、日本経済新聞出版社)

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【プロフィル】和田裕美

 わだ・ひろみ 1970年、京都府生まれ。京都光華女子大学英米文学科卒。外資系教育教材会社の日本国内での完全歩合制営業で、営業した顧客の98%の契約を取るなど、世界(142カ国)2位の成績を達成し、女性初、最年少の20代で支社長に就任。同社の日本撤退後に独立、営業とコミュニケーションの専門家として国内外で研修や講演をこなし、営業本のベストセラー作家に。株式会社HIROWA代表、京都光華女子大キャリア形成学科客員教授。